【テクニカルレポート】理論的かつ実践的な性格特性アセスメントの探求

【テクニカルレポート】理論的かつ実践的な性格特性アセスメントの探求

レポートの要約

本研究では、ビッグファイブ理論を基盤としながら、交流分析の知見を取り入れた新しい性格評価尺度「HaKaSe診断」を開発し、その信頼性と妥当性を検証した。特に、ビジネス場面での行動予測に焦点を当て、7つの因子(新奇、外交、順応、安定、分析、指導、調和)を抽出することに成功した。
理論的な観点からは、本研究は以下のような主要な貢献をもたらした。まず、従来のビッグファイブ理論を基盤としながらも、ビジネス環境における行動予測により適した形で因子を再構築したことが挙げられる。次に、因子間の差分値分析により、単一の因子では捉えられない複雑な相互作用を明らかにしたことで、性格特性のバランスが実務的なコンピテンシーに与える影響を示唆することができた。さらに、15のビジネスコンピテンシーとの相関分析により、各因子が実務的なスキルや行動とどのように関連しているかを明確にした点も重要な成果といえる。実務的含意として、本研究では採用・育成への活用可能性が示されている。HaKaSe診断は、採用時の候補者理解だけでなく、配属や育成計画の立案にも活用できる可能性を持つ。特に、因子間の差分値分析は、個人の強みと課題をより立体的に把握することを可能にすることが示唆された。
今後の課題としては、以下の点が挙げられる。まず、職務経験や研修などの育成施策が性格特性に与える影響についても検討が求められる。さらに、性格特性同士の相性が職場での相互作用にどのような影響を与えるかについても、今後の研究課題として重要である。本研究は、心理測定の理論的精緻化と実務的有用性の両立を目指した試みとして位置づけられる。今後、実務での活用事例の蓄積とさらなる実証研究を通じて、より洗練された評価ツールへと発展することが期待される。

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